ふらつきとは

頭を大きく動かしたり、急に立ち上がったりした際に平衡感覚を失ってよろけたり、よろけたように感じる症状がふらつきです。乗り物酔いや急に立ち上がった場合など、すぐに症状が改善した場合や乗り物酔いなど原因がはっきりしている場合は問題がないことが多いのですが、ケースによっては脳の疾患が隠れていることもありますので、注意が必要です。

脳の病気が原因で起こるふらつき

脳の疾患から考えられるふらつきですが、例えば小脳に病気があると、運動機能に障害が起こってふらつきが起こりやすくなり、脳梗塞や脳出血を起こしたことで頭痛やめまい、ふわふわした浮動感と同時にふらつき症状が現れることもあります。
つまり、脳の病気や障害が原因のふらつきの場合は、頭痛や嘔吐、めまいやしびれ、麻痺などの症状も同時に起こっていることがあります。他の症状が伴っている場合は、早めに脳神経科を受診してください。

正常圧水頭症

歩行障害に併せて、尿失禁、軽い認知症の症状がみられる場合は、正常圧水頭症が疑われます。
正常圧水頭症は、脳脊髄液の吸収がうまく行われなくなることによって引き起こされる水頭症です。原因によって“特発性正常圧水頭症”と“続発性水常圧水頭症”に分けられますが、いずれも歩行障害や記憶障害、尿失禁など特徴的な症状が現れます。診断を下すには脳室が拡大していることを確認する必要があり、頭部CT検査が非常に有用です。治療は基本的に、脳脊髄液のバイパス手術である“シャント手術”が行われます。主に行われているのは“脳室―腹腔シャント”と“腰椎―腹腔シャント”です。脳室―腹腔シャントは細い管を皮下に通して脳室から腹腔(腹膜に囲まれた体腔)に留置する方法であり、腰椎―腹腔シャントは腰椎のくも膜下腔から腹腔に管をつなげる方法です。そして、体内に埋め込んだバルブで状態に合わせてバルブ圧を変更し、脳脊髄液流量を調節していきます。